死後の手続き一覧(行政書士業務対応)

身近な人が亡くなった後、遺族が直面する手続きは多岐にわたります。行政書士として関与できる業務と、他士業との連携が必要な業務を整理することは、円滑な対応の第一歩です。

本記事では、死亡直後から数カ月以内に必要となる主な手続きを時系列で整理し、行政書士が関与できるかどうかを明示した一覧表をご紹介します。

この一覧表は、行政書士法および関連士業との業際基準に基づいて作成しています。
実務では、司法書士・税理士・弁護士など他士業との連携が重要になる場面も多く、業際に該当する項目については特に注意が必要です

なお、例えばⅠ-02「死亡診断書の取得とコピー」のように法律行為に該当しない手続きについては、行政書士業務とは言えないものの、遺族支援の観点から情報提供や流れの整理が求められる場面もあります。

Ⅰ.実施時期:死亡直後〜数日以内

SEQ手続き内容 提出先・関係先 補足説明 行政書士業務
Ⅰ-01銀行口座凍結前に引き出す 各銀行等金融機関葬儀費用など必要資金を引き出す(法的リスクに注意)
Ⅰ-02死亡診断書の取得とコピー(最大10部) 病院 役所・保険会社等への提出用 - 法律行為ではない。
Ⅰ-03死亡届の提出 役所 死亡診断書を添えて提出、火葬許可証を受け取る ✕(戸籍法に基づく届出)
Ⅰ-04火葬許可証の取得役所火葬場へ提出するため必要
Ⅰ-05印鑑証明書の取得 役所相続手続きや金融機関の手続きに備える✕((相続人)本人申請)
Ⅰ-06公的保険資格喪失届の提出役所健康保険・介護保険の資格喪失届、保険証返却
Ⅰ-07住民票の停止(除票)役所故人の住民票を除票にする
Ⅰ-08光熱費の解約・停止電気・ガス・水道など各社 名義変更または契約解除✕(契約当事者)
Ⅰ-09クレジットカードの解約カード会社未払いがあれば精算
Ⅰ-10保険金の請求保険会社必要書類を添えて提出 〇(請求書類作成支援)
Ⅰ-11運転免許証の返納警察署郵送対応可能な場合もあり
Ⅰ-12パスポートの返納役所・外務省自治体窓口または外務省
Ⅰ-13遺言書の有無確認自宅・公証役場自筆の場合は家庭裁判所で検認が必要〇(遺言書作成支援)
Ⅰ-14相続人調査(戸籍収集)本籍地の役所出生から死亡までの戸籍を収集
Ⅰ-15賃貸契約の解約管理会社・大家契約解除と退去手続き
Ⅰ-16SNS・ネットサービスの解約 各サービス会社メール・SNS・サブスク等のアカウント削除

Ⅱ.実施時期:1〜2週間以内

SEQ手続き内容提出先・関係先補足説明行政書士業務
Ⅱ-01世帯主変更届の提出役所世帯主が故人だった場合
Ⅱ-02遺品整理・不用品処分 自宅必要に応じて専門業者に依頼

Ⅲ.実施時期:3カ月以内

SEQ手続き内容提出先・関係先補足説明行政書士業務
Ⅲ-01相続放棄の申述 家庭裁判所 死亡から3カ月以内に申述書提出(借金などがある場合) ✕(家庭裁判所提出は本人または弁護士)

Ⅳ.実施時期:10カ月以内

SEQ手続き内容提出先・関係先補足説明行政書士業務
Ⅳ-01遺産分割協議書の作成相続人間相続人全員で協議し署名・押印〇(書類作成支援)
Ⅳ-02相続登記(不動産) 法務局 遺産分割協議書・戸籍・印鑑証明などが必要 ✕(司法書士業務)
Ⅳ-03預貯金の名義変更・解約各銀行等金融機関協議書をもとに解約または名義変更 〇(書類作成支援)
Ⅳ-04有価証券の名義変更 証券会社指定書類が必要 〇(書類作成支援)
Ⅳ-05自動車の名義変更・廃車 陸運局陸運局 〇(申請書類作成)
Ⅳ-06相続税の申告・納付 税務署基礎控除額を超える場合、税理士相談も可 ✕(税理士業務)

Ⅴ.実施時期:10カ月以降

SEQ手続き内容提出先・関係先補足説明行政書士業務
Ⅴ-01所得税納付(準確定申告) 税務署死亡日までの所得に対する申告(4カ月以内) ✕(税理士業務)
Ⅴ-02葬祭費請求自治体国民健康保険加入者の場合(2年以内)〇(申請書類作成)
Ⅴ-03未支給年金の請求年金事務所 故人が受給していた年金の未支給分(5年以内) 〇(申請書類作成)
Ⅴ-04家庭裁判所への申立て(調停・審判) 家庭裁判所相続人間で協議がまとまらない場合 ✕(弁護士業務)

以下のリンクから、**死後の手続き一覧表(Excel)**をダウンロードいただけます。
実施時期ごとに分類されており、行政書士が関与できる業務には〇印を付けています。実務では、司法書士・税理士・弁護士など他士業との連携が重要になる場面も多く、業際に該当する項目については特に注意が必要です

    コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です